車のカーテンレールを穴開けないで取り付け!100均自作で快適車中泊

最近、週末のたびに車中泊でリフレッシュするライフスタイルが定着してきましたが、そこで避けては通れないのが「プライバシーの確保」という大きな課題です。道の駅やサービスエリア、あるいはキャンプ場で一夜を過ごす際、外からの視線が気になって熟睡できなかった経験はありませんか?だからといって、大切な愛車のボディにドリルで穴を開けてカーテンレールを取り付けるのは、心理的にも抵抗がありますし、何より将来車を手放す時の査定額(リセールバリュー)に響いてしまうのは避けたいところです。
実は私も、最初の車中泊DIYでは「どうにかして車体に傷をつけずにカーテンを付けられないか」と、夜な夜なネット検索を繰り返していました。安価な100均アイテムを駆使して自作してみたり、ホームセンターで買った強力そうな両面テープを試しては夏の暑さで落下させたり、あるいは「もうビス止めしかないのか…」とドリルを握りしめて葛藤したり。そんな数々の失敗と試行錯誤を経て、ようやくたどり着いた「剥がれない、落ちない、傷つけない」ための確実なノウハウがあります。この記事では、初心者でも失敗しないカーテンレールの設置技術から、プロ顔負けの材料選び、そして車検もクリアするための法的な知識まで、私の経験の全てを余すことなくお伝えします。
- 車体に一切の傷をつけずにカーテンレールを強固に固定する3つの物理的アプローチ
- 100均やホームセンターの材料を使った自作カーテンの具体的な手順と、知っておくべき耐久性の限界
- なぜあなたのレールは落ちるのか?プロが実践する「脱脂」と「プライマー」の科学的な下地処理
- 車中泊を安全に楽しむために絶対外せない、車検対応のルールとエアバッグ干渉回避の知識
車のカーテンレールを穴開けないで取り付ける3つの基本テクニック
「愛車に穴を開ける」という行為は、一度やってしまうと二度と元には戻せない、いわば不可逆的な改造です。新車で購入した方や、リース契約の車両に乗っている方にとっては、選択肢に入ることすらないでしょう。しかし、諦める必要は全くありません。現代のDIY技術や接着科学の進歩により、ビス(ネジ)を一本も使わずに、実用十分な強度でカーテンレールを固定する方法が確立されています。ここでは、ボディへのダメージをゼロにしつつ、しっかりとレールを支えるための3つの主要なアプローチ、「化学的結合(接着)」「機械的嵌合(挟み込み)」「張力固定(テンション)」について、そのメカニズムと実践テクニックを深掘りして解説していきます。
車のカーテンレール取り付けで知っておきたい非破壊固定の仕組み
「穴を開けない」ということは、つまり「ネジの保持力(アンカー効果)」以外の物理的な力を利用してレールを空中に留める必要があるということです。これを実現するためには、車の内装素材と物理法則を味方につける必要があります。
1. 化学的結合(接着力)のアプローチ
最もポピュラーなのが両面テープによる固定です。これはテープの粘着剤が被着体(車の内装)の表面の凹凸に入り込み、分子間力(ファンデルワールス力)によって結合する仕組みです。しかし、車の内装に使われているプラスチックは「難接着素材」であることが多く、ただ貼るだけでは重力に負けてしまいます。成功の鍵は、素材の表面エネルギーを高める化学的な下処理にあります。
2. 機械的嵌合(物理的な引っ掛かり)のアプローチ
車の内装パーツの隙間や、ウェザーストリップ(ドア枠のゴム)の弾性を利用して、金具を物理的に「噛ませる」方法です。接着剤を使わないため、ベタつきや汚れのリスクがゼロで、完全に原状回復が可能という最強のメリットがあります。ただし、車種ごとに隙間の形状が異なるため、汎用性が低いのが難点です。
3. 張力固定(テンション)のアプローチ
いわゆる「突っ張り棒」や「ロープ」の原理です。対向する壁面同士を押し広げる力、あるいはピンと張った紐の張力を利用します。非常に手軽でコストも安いですが、長い距離を支えると重力でたわみやすく(カテナリー曲線)、遮光性に若干の難が出ることがあります。
| 固定方式 | 施工難易度 | コスト | 耐久性 | 原状回復 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|---|---|
| 強力両面テープ | 中 | 中 | 中~高 | △(糊残りリスク) | どんな車種でも汎用的に設置したい人 |
| 隙間挟み込み | 高(加工要) | 低~中 | 高 | ◎(完全無傷) | N-VANやハイエースなど内装に隙間がある車 |
| コード・テンション | 低 | 低 | 低~中 | ◎(即撤去可) | とにかく安く、一時的に使いたい人 |
車のカーテンレールは両面テープ選びが命!剥がれないコツ
DIYチャレンジャーの多くが最初にぶつかる壁、それが「両面テープが剥がれてレールごと落下する」という悲劇です。私も経験がありますが、真夏の車内で「ドサッ」という音がした時の絶望感と言ったらありません。車内環境は想像以上に過酷で、夏場のダッシュボード付近は70℃~80℃にも達します。さらに走行中は常に振動が加わり続けるため、家庭用の強力テープでは太刀打ちできないのです。
アクリルフォームテープ(VHB)の優位性
ここで選ぶべきは、単なる「強力両面テープ」ではなく、「アクリルフォームテープ(VHBなど)」と呼ばれる構造用接合テープです。通常のテープが薄いフィルムに糊を塗っただけなのに対し、アクリルフォームテープは基材そのものが粘弾性のあるアクリル樹脂でできています。 この「粘弾性(ねばりと弾力)」が非常に重要で、車体の金属やプラスチックが熱で膨張・収縮した際の「歪み」をフォームが変形して吸収し(応力緩和)、接着面にかかる負荷を逃がしてくれるのです。これが、過酷な温度変化でも剥がれない最大の理由です。
初期接着力と最終強度の罠
もう一つの落とし穴が「養生(ようじょう)」です。感圧性接着剤(PSA)は、貼った瞬間からくっついているように見えますが、実はそれはまだ50%程度の力しか出ていません。接着剤が素材のミクロな凹凸に馴染み、本来の強度(100%)に達するには、施工後24時間~72時間かかります。 多くの失敗例は、レールを貼ってすぐにカーテンを吊るしてしまうことで起きます。貼ってから最低でも24時間は、無負荷の状態で放置する。この「待ち時間」こそが、数年持たせるための最大の秘訣なのです。
車中泊のカーテンレールには隙間を活用した挟み込みが最強?
もしあなたが乗っている車が、ホンダのN-VANやトヨタのハイエースのような商用車ベース、あるいは内張りが少し浮いているような構造なら、接着剤すら使わない「挟み込み工法」が最強の選択肢になり得ます。これは、建物の建築現場でも使われるような知恵を車に応用したものです。
自作ブラケットで隙間を攻略する
具体的には、ホームセンターで売っているステンレス製の平板ステーやL字金具を、ペンチで「コ」の字型や「J」の字型に曲げて加工します。これを、天井の内張り(ヘッドライナー)とボディの鉄板の間のわずか数ミリの隙間に差し込むのです。 この時、ただ差し込むだけでは振動で抜けてきてしまいます。そこで活躍するのが「マジックテープ(面ファスナー)」です。金具の表面にマジックテープの「オス(チクチクする方)」を貼り付けてから隙間に差し込むと、内張りのフェルト素材にガッチリと食いつき、強烈な摩擦力が生まれます。この「摩擦と弾性」を利用した固定法なら、夏場の熱で溶ける心配もありませんし、車を売却する際は引き抜くだけで完全に元通りです。
ピラーへのクリップ固定という手も
Bピラー(運転席と後部座席の間の柱)にレールを渡したい場合、ピラーのプラスチックカバーの端っこに、専用の「ピラークリップ」を噛ませる方法もあります。これは市販の車種専用カーテンキットによく採用されている手法で、垂直方向の荷重にめっぽう強いのが特徴です。
車のカーテンレールを自作するならコード&テンション方式
「レール」という硬い棒状の物質にこだわらない柔軟な発想も大切です。特に、軽自動車やコンパクトカーのように車内が狭い場合、硬いレールが頭上の圧迫感を生むことがあります。そこで提案したいのが、紐(コード)の張力を利用した、最もミニマルで低コストなシステムです。
パラコードとユーティリティナットの活用
アウトドアやキャンプでおなじみの「パラコード(パラシュートコード)」は、耐荷重が250kg以上ある非常に丈夫な紐です。これを車内の左右にある「アシストグリップ(手すり)」の根元や、商用車に標準装備されている「ユーティリティナット(M6サイズのネジ穴)」を利用してピンと張ります。 ユーティリティナットには「アイボルト」と呼ばれる輪っか付きのボルトをねじ込めば、立派な支点が完成します。そこにパラコードを通し、自在金具(テントのロープ調整に使う金具)でテンションを掛ければ、カーテンレールの代わりになります。
メリットとデメリットのバランス
この方式の最大のメリットは、走行中の「音」がしないこと。硬いレールだとランナーがカチャカチャと鳴ることがありますが、布と紐なら無音です。また、材料費も数百円で済みます。 一方でデメリットとしては、カーテンの開閉(スライド)がスムーズにいかないこと(滑りが悪い)、そしてカーテン中央部が重力で垂れ下がってくることが挙げられます。しかし、これもコードを強めに張るか、中央にサポートを入れることで十分実用レベルになります。
車のカーテンレールに100均アイテムを使うメリットと限界
「まずは安く試したい」「本格的なDIYはハードルが高い」という方にとって、ダイソー、セリア、キャンドゥなどの100円ショップは宝の山です。実際、私も最初の車中泊装備はほぼ100均で揃えました。しかし、そこには明確な「限界」が存在することも知っておくべきです。
100均カーテンワイヤーの実力
100均で売られている「カーテンワイヤー」は、プラスチック被覆されたスプリング状のワイヤーで、両端にフックが付いています。これを車内の適当な場所に引っ掛けるだけでカーテンが吊るせるという優れものです。長さも調整可能で、軽自動車の窓幅にはちょうど良いサイズ感です。
長期利用における「落とし穴」
しかし、100均アイテムを「常設」しようとすると問題が起きます。まず、ワイヤー自体が経年劣化で伸びやすく、数ヶ月でダルダルになります。また、付属の吸盤や粘着フックは耐熱性が考慮されていないため、夏場の車内ではほぼ確実に脱落します。 特にネオジム磁石を使ったフックは便利ですが、100均のものは磁力が弱め(耐荷重1kg未満)のものが多く、走行中の振動でカーテンの重みに耐えきれずにズレ落ちてくることが多いです。「今夜だけ使いたい」というスポット利用なら最強のコスパですが、毎回設置し直す手間を考えると、やはり専用の材料には敵いません。
車のカーテンレールをビス止めしたい時の補修と注意点
「両面テープが何度も落ちてストレスが限界!」「中古車を買ったら、前のオーナーが開けた穴が残っていた」…そんな状況なら、最終手段としての「ビス止め(ネジ固定)」を検討するのも一つの正解です。ただし、車の天井や壁は家の壁とは構造が全く異なります。
天井は「薄い板」であるという認識
車の天井内張り(ヘッドライナー)は、防音・断熱のためのフェルトや薄い繊維ボードでできており、数ミリの厚さしかありません。ここに普通の木ネジをねじ込んでも、スカスカで全く効きません(暖簾に腕押し状態)。 そこで必要になるのが「アンカー」や「トグラー」と呼ばれる中空壁用の固定具です。これらは穴の中で傘のように広がり、内張りを裏側から面で挟み込むことで強度を出します。石膏ボードの壁にネジを打つのと同じ要領です。
ドリリングの恐怖と安全策
新たに穴を開ける場合は、細心の注意が必要です。天井のすぐ裏には屋根の鉄板があり、その間にはサイドエアバッグの配線や、ルームランプのケーブルが通っている可能性があります。 ドリルを使う際は、刃が必要以上に奥まで入らないよう、刃にビニールテープを巻いて「ストッパー」にするか、ドリルストッパーという専用のアタッチメントを装着してください。勢い余って屋根の鉄板まで貫通させてしまったら、雨漏りの原因となり取り返しがつきません。
車のカーテンレールが剥がれる・落ちる原因と対策
せっかく苦労して取り付けたレールが落ちてしまう原因の9割は、実は「手順の省略」にあります。特に「脱脂(だっし)」と「加圧(かあつ)」、そして「待機(たいき)」です。
見えない油膜「シリコン」の恐怖
最近の車の内装パーツには、製造時の離型剤や、納車前の仕上げで塗られた艶出し剤(シリコン系)がたっぷりと付着しています。シリコンは接着剤の大敵で、これが残っているとどんなに強力なテープも絶対に付きません。 市販の「シリコンオフ」や「パーツクリーナー」を使い、ウエス(布)に汚れが付かなくなるまで、しつこいくらいに拭き上げてください。表面が「キュッキュッ」と音が出る状態がスタートラインです。
指の力だけでは足りない?
両面テープを貼る際、指でなぞるだけでは不十分です。感圧性接着剤は、強い圧力をかけることで初めて性能を発揮します。ローラーなどを使って、テープ全体に均一に、親指の爪が白くなるくらいの力で圧着してください。この「初期加圧」が甘いと、微細な気泡が残り、そこから剥がれが進行します。
車のカーテンレールを穴開けないDIY!車種別と材料選びの極意
基本的な固定メカニズムを理解したところで、次はより実践的な「車種別の攻略法」と「プロ視点の材料選び」にステップアップしましょう。車内という特殊な3次元空間に直線のレールを取り付けるには、ちょっとしたコツと適切なマテリアル選びが必要です。
N-VANやハイエースの車カーテンレール施工実例
車中泊界の二大巨頭、ホンダN-VANとトヨタハイエース。これらの車種はユーザー数が多いため、先人たちの知恵がネット上に溢れていますが、ここではそのエッセンスを凝縮します。
N-VAN:ユーティリティナット天国を活用せよ
N-VANは貨物車としての機能性が追求されており、壁や天井の至る所に「M6サイズのネジ穴(ユーティリティナット)」がキャップで隠されています。これを使わない手はありません。 穴を開けたりテープを貼ったりせずとも、このナットに「ターンナット」や「アイボルト」をねじ込むだけで、強固な支点が確保できます。特にリアゲートやサイドウィンドウ周りは、ホームセンターで売っている「イレクターパイプ」のアタッチメントと組み合わせることで、カーテンレールだけでなく棚まで作れてしまう拡張性の高さが魅力です。
ハイエース:広大な空間をどう仕切るか
ハイエースの課題はその広さゆえに、カーテンの距離が長くなることです。特に運転席と後部座席を仕切る「センターカーテン」は需要が高いですが、天井が広すぎて中央が垂れ下がります。 ここでの正解は、Bピラー(左右の柱)のトリムに挟み込むタイプの「カズキオート」や「ユーアイビークル」といった専門店から出ている専用ステーを使うことです。これらはボディ形状に合わせて精密に曲げ加工されており、DIYで一から作るより圧倒的に綺麗で頑丈に仕上がります。「時は金なり」と割り切って、専用金具だけ購入し、レールや生地は自作するというハイブリッド方式が賢いです。
100均ダイソーやセリアで揃う車カーテンレールの代用品
100均アイテムは耐久性に難ありと言いましたが、工夫次第で化けます。特に注目すべきは「本来の用途とは違う使い方」です。
突っ張り棒+結束バンドの荒技
ダイソーの突っ張り棒は定番ですが、車の窓枠は台形になっていることが多く、突っ張っても振動でずり落ちてきます。そこで、アシストグリップとアシストグリップの間に長い突っ張り棒を渡し、そこへ「結束バンド(インシュロック)」でカーテンレール(またはリングランナー)を吊り下げるという方法があります。 これなら、突っ張り棒が落ちない限りカーテンも落ちません。アシストグリップという最強の固定点を利用するこの方法は、見栄えさえ気にしなければ非常に合理的です。
ネオジム磁石フックの強化術
セリアなどで売っている「強力ネオジム磁石フック」。これをそのまま使うと横ズレしますが、磁石の裏面に、同じく100均の「滑り止めシート」を小さく切って貼り付けるか、ビニールテープを一枚貼るだけで、摩擦係数が劇的に上がり、耐荷重が体感で2倍くらいになります。ちょっとした一手間で、使えるアイテムに変身します。
車のカーテンレールにニトリやカインズの素材は使える?
「ニトリのカーテンレールは安いけど、車に使えるの?」という疑問をよく耳にします。結論から言うと、「使えるが、加工が必要」です。家庭用のレールは基本的に「直線」の窓に取り付けることを前提に設計されています。
アルミレールの剛性と加工の難しさ
ホームセンターで売っているアルミ製のC型レールは、軽くて丈夫で走行性も抜群です。しかし、これを車の窓枠のアール(曲線)に合わせて曲げるのは至難の業です。無理に手で曲げようとすると、レールが「くの字」に折れ曲がるか、断面が潰れてランナーが通らなくなります。 もしアルミレールを使いたいなら、直線の部分だけに短く使うか、あるいは内部に砂を詰めてから少しずつ曲げるような本格的な金属加工が必要になります。正直、DIY初心者にはハードルが高すぎます。そこで推奨されるのが、次のセクションで紹介する「フレキシブルレール」です。
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車のカーテンレールを曲げるテクニックとフレキシブルレール
車の窓枠に沿って美しいカーブを描くカーテンレール。これを実現する唯一の解が「フレキシブル(曲がる)カーテンレール」です。Amazonや楽天で「車用 カーテンレール」と検索すると出てくる、白いプラスチック製のレールがこれです。
内部のスチール芯がキモ
このレールは、柔軟な樹脂の中に薄いスチール板がインサートされています。これにより、「手で簡単に曲げられる柔軟性」と「曲げた形を維持する剛性」を両立しています。施工のコツは、冬場など寒い時期は樹脂が硬くなっているため、ドライヤーやお湯で温めて柔らかくしてから曲げ癖をつけることです。
エンドキャップ処理を忘れずに
フレキシブルレールを好みの長さにカットする際は、金ノコで切断します。切断面は鋭利な金属が露出しており非常に危険です。付属のエンドキャップを必ず装着し、万が一外れても怪我をしないよう、接着剤で固定してしまうことを強くおすすめします。
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車中泊でマグネット固定のカーテンレールを使う裏技
普段は通勤やお買い物に使い、週末だけ車中泊仕様にする。そんな「二刀流」ユーザーにとって、常設のカーテンレールは邪魔な存在かもしれません。そこで提案したいのが、マグネットによる「着脱式レールシステム」です。
レールそのものを磁石化する
市販の軽量なプラスチック製レール(またはアルミレール)の裏面に、強力な「異方性マグネットシート」を全面に貼り付けます。これにより、レール全体が磁石となり、車体の鉄板部分(窓枠の上部など)に「バチン!」と貼り付けることができます。 点ではなく「面」で吸着するため、多少の重さでも耐えられますし、何より取り外しが0秒で完了します。窓枠が樹脂で覆われている車種では使えませんが、鉄板露出が多い商用バンには特におすすめの裏技です。
車のカーテンレール自作で活躍するパラコードとクリップ
先ほども少し触れましたが、パラコードを使った自作は、そのデザイン性の高さから「バンライファー」の間でトレンドになっています。無骨なレールではなく、カラフルなコードや、ナチュラルな麻紐を使うことで、車内がカフェのような空間になります。
ダブルクリップの意外な活用法
事務用品の「ダブルクリップ」。これが実はカーテンのランナー代わりになります。コードにカーテン生地を吊るす際、専用のフックを使わずに、生地の上端をコードごとダブルクリップで挟むのです。 これなら、カーテン生地にフック用の穴を開ける必要すらありません。お気に入りの布を買ってきて、切りっぱなしで挟むだけ。汚れたらすぐに洗濯できる。このラフさが、DIY車中泊の醍醐味でもあります。
車のカーテンレール取り付けに必要な脱脂とプライマー処理
「両面テープ派」の皆さんのために、ここでプロ級の下地処理プロセスを伝授します。これをやるだけで、接着強度は3倍にも5倍にもなります。
プライマーは魔法の液体
多くの人が「脱脂」までは行いますが、「プライマー」まで使う人は稀です。しかし、車の内装(ポリプロピレンやABS樹脂)は「難接着材料」と呼ばれ、そのままではテープの糊が分子レベルで馴染みません。 そこで、3M社の「K-500」や「N-200」といった樹脂用プライマーを塗布します。これは接着剤ではなく「架橋剤」のような働きをし、樹脂の表面を化学的に改質して、テープがガッチリと食いつく状態に変えてくれます。塗布後、数分乾かしてからテープを貼ると、もはや剥がそうとしても内装ごとめくれるくらいの強度が出ます。
おすすめの下地処理・最強セット
1. 脱脂剤: ソフト99「シリコンオフ」またはパーツクリーナー(プラスチック対応のもの) 2. プライマー: 3M「パックプライマー K-500」(使い切りタイプが便利) 3. ウエス: キムワイプやマイクロファイバークロス(ティッシュは繊維が残るのでNG)
車のカーテンレールを穴開けない施工でも注意すべき車検と安全性
DIYで楽しく改造したのはいいけれど、「車検に通らない!」「事故で大怪我をした!」なんてことになったら目も当てられません。車は走る凶器にもなり得る乗り物です。最後に、法令遵守(コンプライアンス)と安全マージンについて、しっかり確認しておきましょう。
車のカーテンレールと車検!突起物規制と視界確保
日本の車検制度は世界一厳しいとも言われますが、内装に関しても細かい規定があります。特に注意すべきは「内部突起物規制(道路運送車両の保安基準 第18条等)」です。
半径2.5mmのルール
万が一の衝突事故の際、乗員の頭や体が内装にぶつかる可能性があります。その時、鋭利な突起物があると致命傷になりかねません。そのため、乗員が触れる恐れのある場所にある突起物は、その角の半径(R)が2.5mm以上、つまり「丸く」なければならないというルールがあります。 自作したカーテンレールの端っこの金属が切りっぱなしだったり、ビスの先端が飛び出していたりすると、検査員に「危険な突起物」と判断され、その場で取り外しを命じられます。必ずエンドキャップを装着し、角をヤスリで丸める配慮が必要です。
運転席・助手席のカーテンは厳禁
これは基本中の基本ですが、運転席および助手席の窓ガラスにカーテンがかかった状態で走行することは、道路交通法違反(乗車積載方法違反)となります。 「開けていればOK」という解釈が一般的ですが、レール自体が視界を妨げる位置(Aピラーの視線上など)にあると、それだけで車検NGになることもあります。レールは窓ガラスの上端、黒いセラミック塗装の部分に収まるように設置し、カーテンは走行中必ずタッセルで束ねて、Bピラーの後ろに完全に収納できるようにしてください。
権威ある情報源で確認しよう
窓ガラスへの貼付物や視界確保に関する正確な法的要件については、以下の国土交通省の公式資料も併せてご確認ください。 (出典:国土交通省『道路運送車両の保安基準 第29条(窓ガラス)』)
カーテンエアバッグと干渉しない車カーテンレールの位置
近年の車は安全性能が向上しており、天井のルーフライニングの端(窓の上)には、「カーテンエアバッグ(SRSエアバッグ)」が格納されていることがほとんどです。これは側面衝突時に瞬時に膨らみ、窓ガラスと乗員の頭部の間のクッションとなる重要な安全装置です。
レールの固定位置が生死を分ける
もし、このエアバッグが出てくるカバー(割り線)の上に、強力な接着剤やビスでカーテンレールを固定してしまったらどうなるでしょうか? エアバッグの展開力がレールによって阻害され、正常に開かない可能性があります。さらに最悪なのは、爆発的な展開力によってカーテンレール自体が弾き飛ばされ、乗員の顔面や眼球を直撃するケースです。これはまさに「凶器」です。 施工前には必ずピラーや天井に「SRS AIRBAG」の刻印がないか確認してください。もしある場合は、そのラインを跨ぐ設置は厳禁です。窓枠(サッシ)の金属部分に直接貼り付けるか、エアバッグの下側を通るようにコードを張るなど、干渉を避けるルートを選定してください。
車中泊の快適性を上げる遮光と断熱のカーテン選び
レールが無事に設置できたら、最後にこだわるべきはカーテン(生地)の質です。車中泊の快適度は、実はレールの種類よりも「生地の性能」で決まると言っても過言ではありません。
コールドドラフト現象との戦い
冬の車中泊で最も辛いのが「冷気」です。車の窓ガラスは断熱性が皆無に等しく、外気で冷やされたガラスに触れた空気が冷たくなって足元へ降りてくる「コールドドラフト現象」が発生します。 これを防ぐには、ペラペラの布では不十分です。「遮光1級」かつ「遮熱・断熱」機能を持った厚手のカーテン、あるいは裏地が付いた二重構造のカーテンを選びましょう。さらに、レールの位置を窓枠より少し高めに設置し、カーテンの丈を窓枠下端より長く取る(引きずるくらいにする)ことで、冷気の侵入経路を物理的に遮断できます。
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車のカーテンレール取り付けで失敗しないための道具リスト
準備8割、作業2割。DIYをスムーズに進めるために、私が必ず用意する「三種の神器」ならぬ必須ツールセットをご紹介します。これさえあれば、途中でホームセンターに走る必要はありません。
| 道具名 | 用途・備考 |
|---|---|
| コンベックス(メジャー) | 正確な採寸用。金属製でストッパー付きが使いやすい。 |
| マスキングテープ | 位置決めの仮止めや、マーキングに使用。糊残りしないもの。 |
| シリコンオフ(脱脂剤) | 接着面の油分除去用。最重要アイテム。 |
| プライマー(K-500等) | 樹脂パーツへの接着力増強用。使い切りパックが便利。 |
| 金ノコ(ハイスパイマン等) | レールの切断用。プラスチックやアルミを切るのに必要。 |
| ヤスリ(紙やすり・棒やすり) | 切断面のバリ取り用。安全確保のために必須。 |
| ハサミ・ライター | パラコードの切断と、端部のほつれ止め(焼き止め)用。 |
車のカーテンレールを強力固定するアクリルフォームテープ
記事の前半でも触れましたが、重要なのでもう一度、具体的な製品名を挙げて推奨します。私が数々の失敗の末に行き着いたのは、「3M(スリーエム) VHBテープ 5952」またはエーモン工業の「超強力両面テープ(車内用)」です。
なぜ「厚み」が必要なのか
VHBテープには様々な厚みがありますが、車用には「0.8mm」~「1.14mm」程度の厚みがあるものを選んでください。内装パーツの表面には、目に見えない微細なシボ(革シボなどの凹凸)があります。薄いテープではこの凹凸に追従できず、接着面積が稼げません。 厚みのあるフォーム素材がシボの谷間まで入り込み、さらに振動を吸収するダンパーの役割も果たしてくれます。テープ選びで迷ったら、「黒くて、指で押すとプニプニする、厚さ1mm以上の3M製」を探してください。これが正解です。
車のカーテンレールでビス止めが必要になるケースとは
ここまで「穴開けない」方法を推奨してきましたが、例外的に「ビス止めすべき」ケースも存在します。それは、重量のある「断熱シェード」や「家庭用の重厚なドレープカーテン」を吊るす場合、あるいは「小さなお子様やペットが乗る場合」です。
安全マージンとしてのビス止め
子供はカーテンを引っ張って遊びます。また、大型犬などが興奮して暴れることもあります。両面テープがいかに強力でも、瞬間的な強い衝撃(ピール力)には耐えられないことがあります。走行中にレールが外れて子供の上に落ちてきたら大変です。 このようなリスクが想定される場合は、リセールバリューよりも安全性を優先し、しっかりとした下地(ピラーの金属部やターンナット)にビスで物理的に固定することをおすすめします。穴を開ける位置を工夫すれば(例えばウェザーストリップの裏側など)、見た目には分からないように施工することも可能です。
まとめ:車のカーテンレールは100均や自作で穴開けない取り付けが可能!ビス止めや両面テープの特性を理解して快適な車中泊を
長くなりましたが、車のカーテンレール設置は「段取り」が全てです。いきなり貼り付けるのではなく、まずは自分の車の構造を観察し、どの工法(接着・挟み込み・テンション)が最適かを見極めることから始めてください。 コストを極限まで抑えた100均DIYで手軽に済ませるのも良し、3MのVHBテープとプライマーを駆使してメーカー純正並みの強度を目指すのも良し。あるいは、安全性を最優先してビス止めの覚悟を決めるのも一つの英断です。
重要なのは、それぞれの方法にある「メリット」だけでなく「リスク(脱落、車検、エアバッグ干渉)」もしっかりと理解した上で施工すること。この知識さえあれば、あなたの車中泊ライフは、誰にも邪魔されない最高のプライベート空間へと進化するはずです。さあ、今度の週末に向けて、まずはホームセンターと100均の下見から始めてみませんか?

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