新居への引っ越しやリフォームが決まると、家具選びやレイアウトの構想でワクワクしますよね。でも、意外と後回しにされがちなのが「窓周り」の準備です。実は、私自身も初めての引っ越しの時、「カーテンなんて入居してから考えればいいや」と軽く考えていました。その結果、引き渡し当日に外から丸見えの状態に愕然とし、慌ててホームセンターに走った苦い経験があります。
中には、「とりあえずカーテンレールの代わりに100均の突っ張り棒で凌ごうかな」とか、「部屋干し用に物干し竿をかけられるタイプがいいな」なんて、コストを抑える工夫を考えている方もいるかもしれません。もちろん、そういったアイデアも素晴らしいですが、長く住む大切なマイホームだからこそ、最初からプロの手でしっかりと施工してもらうことが、結果的に一番の「安心」と「節約」につながります。この記事では、私が徹底的にリサーチしたニトリの工事サービスについて、料金の裏側から、プロに断られないための事前準備まで、余すことなくお伝えします。
- ニトリと他社の取り付け工事費用の違いやコストパフォーマンスが明確になる
- 施工トラブルを避けるための壁の「下地」確認方法が具体的にわかる
- プロ並みの美しい仕上がりになる、光漏れを防ぐ正確な採寸のコツを学べる
- 新生活の入居日に確実に間に合わせるための注文スケジュールの逆算ができる
カーテンレール取り付け工事のニトリと他社の料金比較
カーテンレールの取り付け工事を検討する際、やはり一番の懸念材料は「結局、総額でいくらかかるの？」という点ではないでしょうか。公式サイトを見ても「〇〇円～」と書かれていて、実際の支払い金額が見えにくいことが多いですよね。ここでは、ニトリの工事費用の詳細な相場を中心に、ホームセンターやDIY、そして専門業者と比較した際のコストパフォーマンスについて、どこよりも深く掘り下げていきます。単なる安さだけでなく、アフターフォローや安心感も含めた「価値」で見極めましょう。
ニトリの工事費用の相場と内訳
まず結論から申し上げますと、ニトリでカーテンレールの取り付け工事を依頼する場合の費用相場は、1窓あたりおよそ2,500円～4,000円程度が目安となります。ただし、これはあくまで「施工費（工賃）」のみの金額であり、ここからさまざまな諸経費が加算される仕組みになっています。
見積もりを見て「思っていたより高い！」と驚かないために、費用の内訳をしっかりと理解しておきましょう。
見積もりに含まれる費用の全貌
- 基本施工費：窓の数やレールの種類（シングル・ダブル・機能性・装飾性）によって変動します。一般的に、シンプルな機能性レールよりも装飾レールの方が工賃が高くなる傾向があります。
- 出張費（諸経費）：職人さんがご自宅まで来るための交通費や車両費です。地域や店舗からの距離によって異なりますが、3,000円～5,000円程度かかることが一般的です。
- 商品代金：カーテンレール本体の実費です。ニトリのレールは1,000円台のリーズナブルなものから、木目調の高級感あるものまで幅広く選べます。
- 採寸費：プロに出張採寸を依頼する場合にかかる費用です。店舗やキャンペーン期間によっては有料（数千円～）となる場合がありますが、失敗のリスクを考えれば必要な投資と言えます。
- 高所作業費・特殊施工費：吹き抜けなどの高い位置や、特殊な壁面への取り付けが必要な場合に加算されることがあります。
特に注意が必要なのが、「最低施工料金」の設定です。例えば、「1窓だけ頼みたい」という場合でも、職人さんを一人手配するコストは変わらないため、「最低出張工事費として〇〇円以上から」という設定がある店舗も少なくありません。そのため、家中の窓をまとめて依頼したほうが、1窓あたりの単価は圧倒的に割安になります。
カインズや他社との取り付け料金比較
では、ニトリ以外の選択肢と比べるとどうなのでしょうか？よく比較対象となるホームセンター大手（カインズ、コーナンなど）や、地元の内装業者との違いを、料金だけでなくサービス面からも比較してみました。
| 依頼先カテゴリー | 1窓あたりの費用目安 | メリット | デメリット・注意点 |
|---|---|---|---|
| ニトリ （サンレジャン等含む） | 2,500円 ～ 4,000円 | 商品と工事をワンストップで依頼できる。大手企業の安心感と保証体制が整っている。 | 自社製品以外の取り付けは不可。繁忙期は予約が取りにくいことがある。 |
| カインズ・コーナン （ホームセンター） | 2,000円 ～ 4,000円 | 地域最安値圏の場合が多い。「穴あけ不要」などDIY向け商品も豊富。 | 施工は提携業者が行うケースが多く、店舗によって対応可否が異なる。 |
| 専門業者 （内装店・工務店） | 3,000円 ～ 5,000円 | 技術力が非常に高い。複雑な窓や輸入レール、他社製品の持ち込みも柔軟に対応。 | 費用がやや高め。小規模な工事（1窓のみ）だと受けてもらえない場合がある。 |
表を見ると、ホームセンター系が若干安いケースもありますが、大きな価格差はないことがわかります。カインズなどの強みは、賃貸でも使えるようなDIYパーツの充実度です。一方、ニトリは「お、ねだん以上。」のキャッチコピー通り、商品の品質と施工サービスのバランスが取れている点が特徴です。
DIYと業者依頼の価格差とリスク
「電動ドライバーさえあれば、自分で付けられるしタダだよね」と考える方も多いでしょう。確かに施工費はゼロ円ですが、DIYには「見えないコスト」と「重大なリスク」が潜んでいます。
1. 工具を揃えるコスト
カーテンレールの取り付けには、手回しのドライバーでは力不足です。壁の下地までしっかりとネジを打ち込むには、パワーのある「インパクトドライバー」が必須。これを購入したりレンタルしたりすると、結局1,000円～5,000円ほどの出費になります。
2. 取り返しのつかない失敗リスク
これが最も怖い点です。プロでも気を使う作業を素人が行うと、以下のようなトラブルが頻発します。
DIYでよくある「後悔」事例
- 水平が取れない：微妙に斜めになり、カーテンを開けても勝手に閉まってくる（またはその逆）。
- ネジ穴の破損：下地がない場所に打ってしまい、穴だらけになった挙句、レールが固定できない。
- 落下事故：数ヶ月後に突然、レールの重みで壁ごと崩落。床に傷がつくだけでなく、下に子供やペットがいたら大怪我に繋がります。
特に、小さなお子様がいるご家庭では、カーテンを引っ張って遊ぶことも考えられます。安全性を確保するためには、数百円〜数千円の差額を惜しまずにプロに任せるのが、家族を守るための賢い選択と言えるでしょう。消費者庁も、家庭内事故の防止について注意喚起を行っています。
（出典：消費者庁『ブラインドやカーテンのひも等による窒息事故に注意しましょう!』）
ニトリで取付不可となる条件とは
「お金を払えば何でもやってくれる」と思ったら大間違いです。ニトリでは、施工品質と安全性を担保するために、明確な「お断り条件」を設けています。店舗に行ってから「できません」と言われないよう、以下のチェックポイントを確認しておきましょう。
絶対条件：下地（シタジ）がない場所
これが最も多いケースです。日本の住宅の壁（石膏ボード）は脆く、そのままではネジが効きません。壁の裏にある「間柱（まばしら）」や「木枠」などの下地がない場所への取り付けは、落下の危険性が極めて高いため、ニトリでは一切受け付けていません。
その他、工事不可となる主なケース
- コンクリート壁：専用の振動ドリルが必要なため、通常の工事では対応不可の場合が多いです。
- 高所作業：脚立で届かないような高さ（3メートル超など）は、足場の設置が必要になるため断られるか、別途高額な費用がかかります。
- 賃貸物件での無許可工事：管理会社や大家さんの許可証がない場合、トラブル防止のため工事できません。
他社製品の持ち込みができない理由
これも重要なポイントですが、ニトリの取り付け工事サービスは、基本的に「ニトリで購入した商品」に限定されています。「ネット通販でおしゃれなアイアンレールを買ったから、取り付けだけニトリにお願いしたい」というリクエストは通りません。
なぜここまで厳しいのでしょうか？それは「責任の所在」を明確にするためです。他社製品の場合、万が一レールが破損したり落下したりした際に、それが「施工のミス」なのか「製品の欠陥」なのか判別が難しくなります。自社製品であれば、品質管理も含めて一貫して保証できるため、このようなルールになっているのです。
お得なポイント還元キャンペーン情報
ここまで読んで「やっぱりニトリにお願いしようかな」と思った方に朗報です。ニトリでは、引っ越しシーズンに合わせてお得なキャンペーンを実施することがあります。
特に狙い目なのが、新生活準備が本格化する11月～12月や2月～3月頃です。「オーダーカーテンキャンペーン」と題して、以下のような特典が用意されることがあります。
過去のキャンペーン特典例
- 出張採寸料金の実質無料化（ポイントでの全額還元など）
- オーダーカーテンとレール同時購入で、追加ポイントプレゼント
- 通常有料のオプション加工が無料
これらを活用すれば、出張採寸にかかる7,700円程度の費用を相殺できることもあります。店舗に行く前に、必ず公式サイトの「キャンペーン情報」やデジタルチラシをチェックして、クーポンなどがないか確認することをおすすめします。
カーテンレール取り付け工事をニトリで行う流れや採寸
料金や条件がわかったところで、次は具体的なアクションプランです。注文から工事完了までの流れを把握し、スムーズに新生活をスタートさせるための手順を解説します。
注文から施工完了までの全体的な流れ
ニトリでの工事依頼は、今日頼んで明日来る、というような簡単なものではありません。一般的なフローは以下の通りです。
- 【来店・相談】：自宅の図面や窓周りの写真を持って店舗へ行きます。この時点で概算の見積もりを出してもらえます。
- 【現地採寸（見積もり確定）】：専門のスタッフが自宅を訪問し、正確なサイズ計測と下地確認を行います。この時、実際の取り付け位置なども相談できます。
- 【商品決定・契約】：採寸データをもとに、最終的な商品の色や仕様を決め、代金を支払います。
- 【工事日の調整】：商品の納期に合わせて、工事日程を決定します。
- 【施工当日】：職人さんが来て取り付け工事を行います。立ち会いが必要です。
このプロセスには、どんなに急いでも数週間はかかります。特に「現地採寸」と「工事当日」の2回、自宅にいる必要があるため、仕事のスケジュール調整も重要になってきます。
石膏ボードの下地確認と必須条件
先ほども触れた「下地」ですが、自分で確認する方法はあるのでしょうか？実は、いくつかの簡易的な方法でチェックすることができます。
1. どこ太（下地探し針）を使う
ホームセンターで1,000円程度で売っている「下地探し どこ太」などの針を壁に刺してみる方法です。手ごたえがなくズブズブと入れば石膏ボード（下地なし）、途中でコツンと硬いものに当たれば下地ありです。壁に小さな穴が開きますが、画鋲程度の目立たないものです。
2. 磁石を使う
石膏ボードを固定しているビスは金属製なので、磁石がくっつく場所を探すことで、間柱のライン（垂直方向）を見つけることができます。
3. ノックする
壁をコンコンと叩いてみて、音が「ペチペチ（軽い音）」なら空洞、「コツコツ（詰まった音）」なら下地がある可能性があります。ただし、これは経験が必要で確実ではありません。
もし不安な場合は、無理せずニトリの有料採寸サービスを利用しましょう。プロが確実な方法で調べてくれます。
失敗しないカーテン採寸の正確な方法
費用を節約するために自分で採寸してオーダーする場合、ここが最大の難関です。「窓枠のサイズぴったり」に測ってしまう方が非常に多いのですが、それは大きな間違いです。
プロが教える採寸の「黄金比」
- 横幅のルール：窓枠の外側寸法に対して、左右にそれぞれ5cm～10cmプラスした長さをレールの総長とします。
- 高さのルール：窓枠の上端から、10cm～15cm上の位置にレールを取り付けます。
なぜわざわざ大きくするのでしょうか？それには、機能面とデザイン面の大きな理由があります。
光漏れを防ぐレールの取り付け位置
レールを窓枠より高く、広く設置することのメリットは計り知れません。
光漏れと冷気の遮断
窓枠ぴったりに付けてしまうと、カーテンを閉めたときに隙間ができやすく、そこから朝日が漏れてきたり、冬場の冷気が入り込んだりします（コールドドラフト現象）。レールを大きく覆うように取り付けることで、この隙間を物理的に塞ぎ、断熱効果と遮光性を劇的に高めることができます。
部屋を広く見せる視覚効果
また、窓枠より高い位置にカーテを取り付けると、天井が高く見え、部屋全体が広く感じる効果があります。さらに、横幅を広げることで、カーテンを開けたときに束ねた生地（たたみ代）が窓ガラスにかからず、窓の開口部をフルに活かして光を取り込むことができます。
新築入居に間に合う注文のタイミング
新築や引っ越しの際、最も避けたいトラブルが「入居日にカーテンがない」という事態です。夜、室内の明かりをつけると外から丸見えになってしまい、段ボールを窓に貼って過ごす…なんて悲劇は絶対に避けたいですよね。
ニトリのオーダーカーテンや工事の標準納期は、通常期で約10日～2週間です。しかし、これはあくまでスムーズにいった場合の話です。
繁忙期の落とし穴
3月～4月の引っ越しシーズンや、年末年始、ゴールデンウィーク前などは、注文が殺到します。縫製工場のラインが埋まり、配送業者もパンク状態になるため、納期が1ヶ月以上かかることも珍しくありません。
理想的なスケジュールは、入居日の1ヶ月～1.5ヶ月前には店舗へ行き、採寸の予約を入れることです。まだ建物が完成していなくても、壁紙が貼られていれば採寸は可能です。
最短で届くスピード納品の活用法
「仕事が忙しくて準備を忘れていた！」「急な転勤で時間がない！」という方のための救済措置として、ニトリには「スピード納品」というオプションサービスが存在します。
これは、対象エリア（主に関東・関西・中部などの主要都市圏）と対象商品を限定することで、注文から最短中2日でカーテンを届けてくれるサービスです。追加料金として2,000円～3,000円程度かかりますが、背に腹は代えられない状況では非常に頼りになります。
ただし、選べる生地の種類が限られていたり、ヒダの倍率（1.5倍ヒダのみなど）に制限があったりするため、こだわりたいデザインがある場合は使えないこともあります。あくまで最終手段として覚えておくと良いでしょう。
ニトリのカーテンレール取り付け工事に関するまとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございます。ニトリでのカーテンレール取り付け工事について、メリットもデメリットも包み隠さず解説してきました。
結論として、ニトリのサービスは「DIYのリスクを負いたくないけれど、専門業者に頼むほど高額な予算もかけられない」という方に最適なバランスの取れた選択肢です。商品選びから採寸、施工までをワンストップで任せられる安心感は、忙しい新生活の準備期間において何にも代えがたい価値があります。
スムーズに依頼するための最終チェックリスト
- 予算は「商品代＋工事費（1窓数千円）＋出張費」で余裕を持って見積もる
- 自宅の壁に「下地」があるか、事前に簡易チェックしておく
- 他社製品の持ち込みはできないので、ニトリで好みのレールを見つける
- 入居1ヶ月前には店舗へ行き、採寸予約を入れる
- 不安な場合は、7,700円～の出張採寸を迷わず利用する
新しいお部屋での生活が、素敵なカーテンとともに心地よくスタートできることを心から応援しています。まずは今度の週末、近くのニトリへ足を運んで、実際のカーテンやレールを見てイメージを膨らませてみてはいかがでしょうか。
※本記事の料金やサービス内容は執筆時点での一般的な情報に基づいています。店舗や時期、地域により対応可否や金額が異なる場合があるため、正確な情報は必ずニトリの公式サイトや店頭でスタッフにご確認ください。また、取り付け工事の最終的な判断は専門家の意見に従ってください。
コメント